Interview
技術も、想いも、
リレーする。
若手が語るDMS開発ストーリー
[後編]
世界的なシェアを獲得した現在も進化を続けるDMS。その無限の可能性は安全運転という枠を超え、幅広い分野への展開が期待されています。若手社員によるインタビューは、いよいよ後半戦へ。人と社会の未来のために全力で取り組む、DMSへの愛情、希望、誇り──7人の熱い想いにご注目ください。
開発・設計・製造・営業、それぞれの目に映る「同じひとつの成果」
交通事故削減など社会課題の解決につながるDMSの開発・普及に携わる中で、実際に自分たちの仕事が社会に役立っていると実感するのは、どんな瞬間ですか?
- 製造
- 田口
DMSが新車に実装されて、カーメーカーのホームページやカタログなどでセールスポイントとして訴求されているところを目にした瞬間ではないでしょうか。私たちの技術が自動車の安全性向上や、お客さまの販売に貢献できていることを実感します。
- 設計
- 山崎
家族や友人にどういう仕事をしているか話すと、実際に前方不注意による交通事故やヒヤリハットを経験した人からは、必ずと言っていいほど「いい機能だね」と評価してもらえます。怖い思いをしたからこそ価値がわかる製品であるとともに、怖い思いをする人を減らすことができるわけですから、すべてのドライバーに貢献できているといえるのではないでしょうか。
- 設計
- 賀川
私は山崎さんが話していたような「ドライバーの安全に貢献する」ということに加えて、もっと幅広い領域で社会に貢献できる可能性があると考えています。現在、私がDMSと並行して携わっているヒューマンモニタリングシステムは、その名の通りドライバーに限らず、DMSのセンシング技術を活かしてあらゆる人の安全を見守るシステムです。たとえば製造現場の外観検査のラインで人の視線や顔の向きをセンシングして、ミスや事故を未然に防ぐことができるのです。今後はこうした製造業のほか、ヘルスケア分野など社会全体で幅広く活躍していくのかなと。そんな未来に期待しています。
- 営業
- 上田
私は今まさにDMSで収集・分析したセンシングデータをさまざまな分野で利活用していただき、当社の長期的な収益化につなげるプロジェクトに参画しているところです。具体的には、ドライバーの模範運転度を可視化する技術(2026年2月26日広報発表)を活用し、安全運転指導や高齢ドライバーの認知機能変容の兆候の早期発見および高齢者の運転能力向上につながる取り組みに付加価値をつけてサービス化できないか検討しています。また、75歳以上のドライバーが免許を更新する際は認知機能検査が義務付けられていますが、DMSを活用することで、運転能力を客観的に把握できるため、免許センターなどでも役に立てるかもしれません。
- 製造
- 桑原
DMSの貢献を実感するというより、貢献できたらいいなと思わされるのが、交通事故のニュースを見るときですね。この事故はもしかすると前方不注意が原因だったのではないか。DMSが搭載されていれば防げたのではないか。そのように考えることがあります。自分が頑張って立ち上げた検査設備から羽ばたいたDMSが1台でも多くの自動車に搭載され、悲しい事故が減ることを願っています。
- 営業
- 大岩
私も桑原さんと同じことを考えていました。実は私が三菱電機モビリティを志望した動機も、悲惨な交通事故を少しでも減らせたらいいなという想いからでした。間接的かもしれませんが、私がお客さまへ提案したDMSが自動車に搭載され、そこに乗るドライバーの安全に貢献できる。そう思えることが、仕事への大きなモチベーションになっています。
志望動機とマッチしていたのですね。DMSのことは知っていましたか?
- 営業
- 大岩
はい。入社前からDMSについては気になっていましたが、入社後の研修で製品紹介を聞いた際に、悲惨な事故を減らすことに役立つDMSに携わりたいと思うようになりました。
- 開発
- 村地
大岩さんのように「DMSに携わりたい」と思ってくれる人が現れてくれたこと。それも、ひとつの社会貢献なのかもしれないと感じました。私自身が世の中の役に立っていることを実感するのは、広報発表などの場でお客さまから好意的な意見を頂戴したときや、SNSで一般ユーザーの意見をみた際に、前向きなコメントが多かったときです。社会が求めているもの、人から必要とされているものをつくっているんだと思える瞬間ですね。
開発・設計・製造・営業の視点が重なる、DMSの未来予想図
将来に向けた発言もたくさん出ましたが、あらためて「DMSの未来」についての意見を伺いたいと思います。山崎さん、いかがでしょう。
- 設計
- 山崎
現状のDMSはドライバーの視線などをモニタリングすることに特化していますが、すでに乗員すべてをモニタリングするための開発が進んでいます。乗員モニタリングシステム「OMS(Occupant Monitoring System)」という製品で、室内の天井に専用のカメラを取り付けることにより、助手席、後部座席を含む全乗員をモニタリングすることが可能です。これによって、全乗員のシートベルトの締め忘れや、後席への幼児の置き去りなどを防ぐことができます。今のところDMSを含め2~4台のカメラの設置を想定していますが、最終的にはカメラ単体での運用が可能になるかもしれません。
- 製造
- 桑原
山崎さんが言うように、OMSはDMSにとっての未来像だと思います。しかし、越えなくてはならない技術的なハードルが眼前に立ちはだかっていることも事実です。たとえばOMSを実現するには、ほぼ180度の画角をカバーする広角カメラが必要になります。モニタリングする乗員をドライバーのみから全乗員にするだけで、技術的な難易度が飛躍的にアップするわけです。そのハードルを越えるために設備仕様の検討や検査技術の開発などを進めていますが、課題はそれだけではありません。跳ね上がるコストをいかにして抑えるか。それも、製品として普及させるには不可欠な条件です。もしも私が果たせなかった場合は、ぜひ後進の技術者に実現してほしいですね。
- 設計
- 賀川
いやいや、それはぜひ桑原さんが実現してくださいよ(笑)。 今後、ドライバーモニタリングがさらに普及し、装着の義務化が広がっていくと、性能競争、品質競争、価格競争が自ずと激化します。まずはその競争に耐え得る土台を、会社全体で構築していかなければいけないと考えています。そして、技術がさらに進化すると、先ほどから話題になっているOMSが当たり前のものになり、さらにクルマ以外の他用途に拡大・普及するでしょう。三菱電機モビリティとしては、センシングしたデータを通じて人に寄り添い、あらゆる生活シーンでの社会課題の解決に貢献していきたいと思っています。
- 営業
- 上田
私が携わっているビジネスモデルの未来像ですね。
- 設計
- 賀川
そうです。近い将来、ものづくりの現場は無人で24時間稼働を続けるダークファクトリーが本格化していくと思います。一方で、現状におけるヒューマノイドロボットの性能は人間よりも劣っている部分があると思います。ロボットに、人間のセンシングデータをインプットすれば、精度・性能は飛躍的に向上するでしょう。DMSを安全運転のためだけの技術ではなく、センシングデータという新たな商材を生み出すものにしたい。そんな未来を描いています。
- 開発
- 村地
賀川さんのいうように、DMSのポテンシャルはコア技術として非常に高いものがあります。今後は上田さんが言ったような高齢者の認知機能検知など、社会問題の解決にも活用されていくでしょう。そんな、あらゆる人に貢献する可能性を秘めた技術だからこそ、認知度をもっと上げていきたいと考えています。残念ながら、現状で知人などに「DMSを開発している」と伝えても、ピンとこないことが多々あります。開発・製造・営業が一丸となって「DMS」の名を高めることが、私の願いであり目標です。
7つの持ち場、それぞれの誇り
本日は皆さんに、DMSについて熱く語り合っていただきました。最後のテーマは「自分にとってDMSとは」。まずは、DMSのために当社を選ばれた大岩さんからどうぞ。
- 営業
- 大岩
「一生の思い出に残る仕事」です。
DMSという製品があることを知り、その仕事に携わりたくて当社を選び、社会人1年目から担当できたプロジェクトです。この先ほかの製品を担当したとしても、決して忘れることはないでしょう。私にとって、それほどまでに大切な製品です。
- 営業
- 上田
「私を成長させてくれたもの」です。
三菱電機モビリティとしてこれだけ力を入れているプロジェクトにこの年齢で参画できたことは、社会人としても一人の人間としても大きな成長のきっかけになりました。何よりDMSの営業として楽しく働けていること、それがいちばんです。
- 製造
- 桑原
「一緒に成長していくライバル」です。
DMSは私が初めて主担当として関わったプロジェクトで、技術者として大きく成長させてもらいました。それと同時に、DMSも進化を遂げようとしています。これからも本気で向き合いながら、ともに成長していける存在と捉えています。
- 製造
- 田口
「未来の当たり前になるもの」です。
今後さらに普及率が上がることが見込まれており、やがて自分の愛車はもちろん、家族や知人の車にも当たり前に搭載されるものになると信じています。そのときに「DMSの開発メンバーの一員」と胸を張れるような、誰もが知る製品になってほしいですね。
- 設計
- 山崎
「切磋琢磨していくパートナー」です。
私も大岩さんと同じように、入社前からDMSのハードウエアに携わりたいと考えていました。DMSも私もまだまだ“若い”存在だからこそ、ともに成長していきたいと感じています。これからも試行錯誤を重ねながら、さらなる高みを目指していきます。
- 設計
- 賀川
シンプルに「誇り」です。
DMSはAIとの相性もよく、そこから得られるデータの可能性はまさに無限大です。今後は間違いなく、三菱電機モビリティの屋台骨を支えていく存在になると信じています。そんなDMSに携わっていることを誇りに思うとともに、これからも全力を注いでいきたいと思います。
- 開発
- 村地
未来への可能性です。
当社は他社に先駆けてDMS市場に参入し、失敗もたくさん経験してきました。その失敗を糧とすることで、世界的なシェアの獲得に至ったと考えています。今日ここに集まってくれたメンバーのいうように、未来への可能性については伸び代しかありません。私たちの誇りであるDMSがどこまで伸びていくのか。これからも自分自身の目で追い続けていきたいと思います。DMSのさらなる進化に、どうぞご期待ください。
前編で見えた「ものづくりのリレー」は、後編で「社会に届ける想いのリレー」へと姿を変えました。開発の可能性から始まり、設計・製造が磨き上げ、営業がお客さまへ届けるまで。7人の言葉には、それぞれの持ち場でつないできたバトンの重みが込められています。ひとつの部門だけではたどり着けない品質を、部門の垣根を越えたリレーの力で実現する──それが三菱電機モビリティのDMSです。
私たちのDMSを、みんなのDMSに。 これからも、それぞれの持ち場から紡がれるバトンリレーは続いていきます。
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※記事、所属および写真は取材当時のものです。
開発
村地遼平
2018年入社。センシング機器製造部設計第六課所属。DMSのセンシング技術開発および量産対応を担当。
設計
賀川智弘
2021年入社。HMS事業推進グループ所属。DMSのソフトウエアにおける全体的なシステム設計を担当。
設計
山崎壮太
2023年入社。センシング機器製造部設計第一課所属。DMSのハードウエア設計および取りまとめを担当。
製造
田口寛大
2017年入社。センシング機器製造部工作課所属。DMSの生産ラインにおける生産性および品質改善を担当。
製造
桑原将志
2021年入社。生産技術部生産技術第一課所属。DMSの検査設備設計および量産化への生産基盤構築を担当。
営業
上田智恵理
2022年入社。センシング&サービスソリューションビジネスユニット戦略企画室戦略企画課所属。カーメーカー以外の新規顧客営業を担当。
営業
大岩利奈
2025年入社。さいたま営業所宇都宮事業所SSAS営業一課所属。カーメーカー顧客に対する営業業務全般を担当。






